本日は8月6日~9日にかけて行われた鶴岡八幡宮の「ぼんぼり祭り」をご紹介します。
今年はNHKの大河ドラマ人気も後押ししてか、鎌倉は大分にぎわいを取り戻しています。
ぼんぼり祭りの始まりと日程
毎年8月に行われる鶴岡八幡宮のお祭りの一つで、立秋の前日から9日までの3日間(年により4日間)行われる、鎌倉の夏の風物詩ともいえるお祭です。今年は立秋が8月7日でしたので、その前日にあたる6日から4日間開催されました。
境内には鎌倉にゆかりのあるの文化人をはじめ各界の著名人に揮毫いただいた書画約400点がぼんぼりに仕立てられ、参道に並びます。 *夕刻になるとぼんぼりに灯りがともされ、境内は夜まで賑わいます。
*巫女さんたちが一つ一つに灯を入れていきます。全部に灯るのは午後6時頃。
ぼんぼり祭りは、もともと海水浴客に鎌倉の文化に親しんでもらおうと、昭和13年(1938)につくられた「鎌倉ペンクラブ」の文士達が中心となってぼんぼりを並べたのが始まりだそうです。(鎌倉市観光協会HPより)
実朝の誕生日が8月9日と決まったのは昭和17年(1942)で、以後以下の3神事が一連の祭儀となったそうです。
1,夏越祭—立秋の前日。今年は8月6日。 夏の邪気を払う神事で健康を祈願。茅の輪くぐり、巫女の夏越の舞が奉納される。
2,立秋祭—立秋当日。今年は8月7日。 夏の無事を感謝し、秋の訪れを奉告。1950年に始まる。神域で育った鈴虫がそなえられる。
3,実朝祭—源実朝公の誕生日である9日に行われる。実朝公の誕生日を祝い、遺徳を偲びます。短歌・俳句奉納 *最終日のみ半日開催
ぼんぼり祭り夜の風景
今年の人気は大河ドラマ関係者の作品⁈
今年の目玉はやはりNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の関係者の作品でしょうか。どのぼんぼりの前も写真を撮る人だかりが。
こちらは脚本を書かれた三谷幸喜さんの作品、北条政子。どことなく役を演じている小池栄子さんに似ていますね。
こちらは源頼朝役の大泉洋さんの作品です。伊豆の北条屋敷から女装をして逃げる際の頼朝でしょうか。
主人公「義時」役の小栗旬さん、梶原景時役の中村獅童さんの書他、沢山の大河関係者の作品が展示されておりました。
鶴岡八幡宮の境内には「大河ドラマ館」と言うミュージアムがあります。こちらは2022年3月オープンで、現在オープンから5ヶ月になりますが、8月15日に来館者数が13万人を超え、その記念イベントが行われました。ドラマの人気が鎌倉観光にも大きく影響していると言っても良いですね。
作品一例
アニメーターの庵野秀さんの作品。エバンゲリオンがあまりにも有名です。庵野さんの作品は毎年必ずチェック!
miwaさんは毎年素敵な書を寄せられています。葉山のご出身。
蛭子さんの今年の作品はアートのセンスのない私にはちょっと難しかった(;^_^A でも何故か惹かれるのが流石ですね!
ぼんぼり祭り日中の風景
作品一例
竹中直人さんの鮮やかな画風はひときわ目を引きますね。毎年変な外国人がテーマなのは何故なのでしょう?この絵の中に文字や顔が描かれており、それを見つけるのも楽しいですよ。ねえ… KIMI WA GENKI どう 横浜市の出身
養老孟司さんのゾウムシのぼんぼりも毎年お馴染みです。これまでに何匹の作品を描かれたのでしょう⁈ 鎌倉市在住
児童文学作家の角野栄子さんの作品。「魔女の宅急便」は宮崎駿監督の映画で世界的に有名になりましたが、角野さんのオリジナル作品です。鎌倉市在住
滑川公一さんも毎年ネコの絵でお馴染みの常連さん。今年の作品は色がきれいな反面、テーマがちょっと怖い作品です。世界の平和を祈ります!
実朝暗殺と銀杏の木
一目でわかる、ハトと黄色と言えば、豊島屋さんです。北条の家紋 三つうろこ が今年風です。
さて、約800年前に鎌倉第3代将軍源実朝が甥の公暁によって暗殺されるのですが、歴史的惨事の犯人が身を潜めていた大銀杏はこの写真右奥の縄と紙垂(しで)で囲われたところにありました。樹齢1000年以上で高さ30メートル、幹回り6.8メートルの県の天然記念物の銀杏でしたが、残念ながら2000年3月10日の雪まじりの大風で倒れてしまいました。その後切株からいくつも芽が出て、その内の1本が今では写真の通りに成長しました。
吾妻鏡によれば、右大臣になった実朝は 建保7年 正月 鶴岡八幡宮で右大臣拝賀式に出席。酉の刻 雪 2尺。
館を出る際に詠んだ歌が「出ていなば 主なき宿となりぬとも 軒端の梅よ春を忘るな」(私が出ていってしまえば 主はいなくなってしまうけれど 梅よ春を忘れずに咲いておくれ)。まるで自分の運命を知っているかのような歌である。
そして本来、参列するはずの北条義時は急な腹痛で難を逃れる。三浦義村も初めから参列していなかった。
果たして誰の策略なのか? 今後の大河ドラマでどう描かれるのか楽しみです。
そんな歴史の大舞台に、爽やかな香風が吹いています。
江ノ島ご縁のお二人の作品
鶴岡八幡宮のぼんぼり祭りは既に終了となりましたが、江の島では8月いっぱい江の島灯篭のイベントを行っております。
江島神社の相原宮司の書
日本画家の片岡華陽さんの作品。片岡さんは江の島大橋にある江島神社ご鎮座1,450年記念の龍灯篭と辺津宮の階段途中にある弁財天像、奥津の宮拝殿天井画、酒井抱一の八方睨みの亀のレプリカなどを監修した方です。
スポーツ界、その他の作品
ラグビー選手も参加されていました。リーチマイケルさんの他五郎丸さん、堀江さんも。「楽 苦 美」ラグビーと読むんですね!素敵~
神奈川県のプロ野球チームと言えば、横浜ベイスターズです。現在リーグ2位です。今後どうなりますか?ちなみに私はヤクルトファン(;^_^A
日本を代表する建築家隈研吾さんの作品。初めての出展なのでどうしてかなぁと思ったら、2022年9月23日(金・祝)に八幡宮の参道にオープンするBAM(British Antique Museum 英国アンティークミュージアム)の設計を担当されたのが、隈さんです。鎌倉と縁を結んでいただき光栄です!
建物の前面は鎌倉彫をモチーフに檜(ひのき)を用いた作りになっています。古都鎌倉で英国のアンティークとは大胆な試みにも思いますが、楽しみにしております。
コロナ感染に十分注意をしつつ、皆さまもどうぞ夏の夜を楽しみにお出かけください!